「瞬間のちから」という人を魅了し、人のやる気を引き出す「心理技術」の詰まった本を読みました。
真面目に学びしかない一冊でした!
「瞬間のちから」は、こんな人におすすめです!
- ファンを増やしたい
- リピーターを増やしたい
- 人気者になりたい
- 部下から慕われたい
- 奥さんといつまでも仲良くしたい
「瞬間のちから」は残念ながら本屋では販売されていません。公式サイトから購入することができます。
気になる方は、一度手にとってみることをおすすめします。
人の記憶に長く残る「決定的瞬間」の4つの要素とは?
人の記憶には、ある経験だけが長く記憶に残り、ほかの経験はほとんどが記憶に残っていません。
長く記憶に残り続ける思い出には、決定的瞬間における「4つの要素」があると本書では述べられています。
- 高揚(日常を大きく逸脱して気持ちが盛り上がるようなこと)
- 気づき(意外な発見や、再認識させられるような気づき)
- 誇り(努力や成果が認められた時の嬉しさ)
- 結びつき(深いところでの他者との共感、一体感が得られた時)
「決定的瞬間」が訪れると人の気持ちは前向きな気分になります。(一部、「憎しみ」のような、後ろ向きな決定的瞬間も存在する)
また、「決定的瞬間」には形として残っていることが多く、誰もが自宅に保管されている物があるでしょう。
決定的瞬間の4要素を具体的な物で例えると…。
高揚
ラブレター、チケット半券、子供たちがつたない絵や文字で書いてくれたほほえましいカードなど
気づき
感動した言葉や文章、世界観が変わった書籍、自分の思いを書き留めた日記など
誇り
成績表、認定書、資格証、感謝状、表彰状など
結びつき
結婚式の写真、旅行写真、家族写真など
これらが、自分の決定的瞬間における記念品です。
よく自宅を大掃除している時に、昔の写真や、好きなアーティストのライブチケット半券、もらった手紙、卒業証書などを見つけると、掃除をやめて眺めてしまうように、これらは自分の過去の「決定的瞬間」を思い出す宝物と言えるのでしょう。
このように、心あたたまる瞬間を、どのようにすれば、家族、友人、顧客に与えることができるのか。
自分の体験と照らし合わせることで、相手にとっての「決定的瞬間」を深く考えるきっかけになるのではないでしょうか。
「記憶に残るような体験」は「小さな変化」から生まれる
『ファンが大事』と言われる昨今。どうやったら自分自身、会社のファンを作れるのか?
本書では、「ファン作り」には『記憶に残る体験』を、意図的に作り出すことが重要だと述べられています。
自らのサービスのファンづくりには、記憶に残るもの、日常から逸脱した「最高の瞬間」が必要である。それは自然に起こるものではなく、意図的に作り上げなければいけない。
瞬間のちからから引用
「最高の瞬間」と呼べるような記憶に残るような体験を、一体どうやったら作り出せるのでしょうか。
人間は「慣れている出来事」の記憶が、まったく残らないようにできているそうです。
いつもと同じような毎日には感動が生まれないように、「ファン作り」には、決まりきった台本から逸脱するような「ちょっとした仕掛け」が必要なのだと思います。
「レミニセンス・バンプ」を定期的に生み出す
心理学には「レミニセンス・バンプ」という用語がありますが、これは「回想のこぶ」と言われています。
よく10〜20代くらいの「若い頃の想い出」のほうが人の記憶に残りやすいと言いますが。
人生を変えるような大きなイベントは、30代くらいまでにほとんどの人が経験してしまうので、年をとるたびに「回想のこぶ」を感じとる機会が少なくなるそうです。
「回想のこぶ」が定期的に感じ取れると、人生の時間は長く感じることができますが、その分「回想のこぶ」が少なくなると、時間はあっという間に過ぎ去っていきます。
これは、年をとるごとに「新鮮な出来事」がなくなっていくので、平凡な毎日をなんとなぁく過ごしているだけだと「心の躍動」も少なくなりますよね。
いつまでも自分の人生にハリを持たせたいなら定期的に「レミニセンス・バンプ」が自然に生まれるように日常生活を彩るような「スパイス」を意図的に取り入れていくことが必要です。
最高な瞬間は台本を逸脱した時に生まれる
例えば、休日の家族との過ごし方、定時後の時間の使い方、仕事での創意工夫など、いつも慣れていることを少し変化させていくだけで、また違った楽しみを見出すことができるのではないでしょうか。
確かにサプライズは記憶に残る瞬間になるが、台本の逸脱は人を驚かせようとするサプライズほど単純ではない。サプライズは安っぽく簡単である。
瞬間のちからより引用
台本を逸脱するためには本来の台本について必ず1度考える必要があるということだ。日曜日の家族との過ごし方、職場のチームミーティングの方法、ホテルのチェックインの仕方など、日常生活は台本だらけである。
瞬間のちからより引用
サプライズ効果を持続しながら顧客が慣れてしまわない程度に、台本の逸脱を続けるにはどうすれば良いのか一つの方法は、ちょっとした無作為性を加えることである。
瞬間のちからより引用
家族や恋人であれば、誕生日などの慣れきったサプライズではなく、無作為かつ不定期に、決まりきった、台本から逸脱するようなちょっとした仕掛けをした方が、もっと効果的かもしれません。
そういった観点からも、ファンやリピーターを増やすには相手がいつものように慣れていることを、少し変化させていくという打ち手が有効なのだと感じました。
本書で語られる「決定的瞬間」は、うまく取り入れていくことで、ビジネス上でも、プライベートでも、大きな成果を上げられるのではないかと思います。
自分のファン、仕事のリピーターを増やしたい!人間関係を良好に築いていきたい!と考えている人は、一度手にとってみてはいかがでしょうか?
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