「人に頼む技術」という良書に出会いました。本書で感じたことを僕なりの視点で切り取っていきたいと思います。
著者は社会心理学者の「ハイディ・グラント」さん。
本書を読んだ率直な感想は、『甘え上手な人は、他者も幸せにする』ということです。
誰かに助けを求めることは心理的ハードルが高い。
本書では、「人に助けを求める」ことは、人の精神状態をひどく不快にさせると指摘しており、例えば、顔面にストレートパンチを受けた時のダメージと、同等レベルの「痛み」を引き起こす可能性があると解説しています。
つまり、「人に助けを求める」という行為は、思っている以上に人の精神に大きな負担をかけるということです。
これは、仕事がデキる・デキないに関わらず、「人に助けを求める」という行為は、誰人にとっても心理的ハードルが高いものだと言えると思います。
仕事ができる人ほど、高めなプライドが邪魔をして、「甘える=弱い人」「助けを求める=仕事ができない人」というレッテルを貼りがちです。
「誰かに甘えて迷惑をかけるなんて!」と、自立意識が高い人ほど、このような傾向があるのではないかと思います。
僕自身は、どちらかというと、あまり自分の弱みを見せられない方なので、「自分で何とかする!」という思考に陥りがちだなぁと猛省してます。
しかし、世の中にはその精神的負担を乗り越えて、人に何かを頼むことが上手な人たちがいます。
人に何かを頼むのが上手な人は、言い方を変えれば「甘え上手」な人だと思います。
ほとんどの「頼み事」は気まずくないし、歓迎されている。
甘え上手な人は、自ら助けを求めることで、助ける側の「幸福度」が高まることを知っています。
そして、ほとんどの頼み事は気まずくないと分かっていて、相手を頼りにすることによって、自分への「好感度」が高まることも知っています。
本書では、ほとんどの人たちが、この事実を分かっていないと指摘しています。
ほとんどの人は、「助けること」は「助けられること」よりも遥かに印象をよくするものだ。と言う間違った考えを持っている。
誰かに助けられてしまうと、「自分はなんてできない奴なんだ…」と劣等感を抱いてしまいがちです。
なので、「自分が助ける側の方が気が楽だよ!」と、自分が助ける側でいる事を強く望んでいますが、それはあくまで自分自身の感情であって、助けてくれた人は、逆に自分に対して強い好意を抱くようになるのです。
誰かの助けを求めようとするときに、必要以上の気まずさを覚えるべきではない。頼み事をするときには、不安な気持ちでいっぱいになるものだ。適切な方法を取れれば、それは頼まれた側にとって、自分自身や依頼者に対してとても良い感情をいただく機会になる。
本書では、むしろ「人に助けを求めない心」こそ、自己中心的なことだと指摘しています。つまり、もっと他者の力を自然と借りれるようにコミュニケーションをとれ、と言うことですね。
相手も「幸せ」にできる「甘え上手」で「助けてもらえる人」になろう。
本書を読んで感じたのは、「相手を頼る」ことは「弱さ」なんかではなく「良質な人間関係」を作ることに繋がっているということ。
人は誰かに頼み事をしたり、助けを求めたりすることを敬遠する傾向がありますが、それだと、自分も相手も幸せにはなれないです。
他者に頼れる、甘え上手な人は、相手を幸せな気分にさせることができるし、かつ自分の味方にも変えてしまう力を持っている。
人に頼む事をためらわずに、ガンガン周りを巻き込んでいくコミュニケーションを意識していきたいと思います。
このブログに書いたことは、本書の「わずか一部」なので、もっと「人に頼む技術」を学びたい人は手に取ってみてはいかがでしょうか?
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