派遣先企業と職場見学をして、派遣会社から採用頂いたのですが、就業開始日を決めるタイミングになってから、諸事情により内定を取り消されました。
このような場合、派遣会社や派遣先企業に対して、どのように対応すればいいでしょうか。
読者の方からこんなご質問を頂きましたので、今回はこのようなお悩みにお答えします。
筆者は、人材派遣会社で10年以上に渡り、派遣スタッフの労務管理・苦情処理責任者を担当した経験があり、労働基準監督署や労働局の専門窓口として、色々なトラブル事例の対応をしてきました。
数多くの労使トラブルを経験してきた立場として、今回のお悩みに対して真剣に回答していきたいと思います。
本記事はこんな人に読んで欲しい内容となっています。
- 採用と言われたのに急に白紙になった
- 仕事が決まったのに諸事情で「内定取り消し」された
仕事が決まって、派遣会社から正式に内定通知をもらったはずなのに、就業直前になって「やっぱり、採用なしでお願いします!」と言われたら、ショックですよね。
「すでに別の会社の内定を断ってしまった」「今の会社に退職の申し出をしてしまった」このような状態になってしまった人もいるはずです。
今回は、派遣の仕事で「内定取り消し」にあった時はどうすればいいのか?という点について解決方法を書いていきます。
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派遣の仕事で「内定取り消し」が起きるのは大体が派遣先の都合です。
派遣会社が紹介した仕事で、採用となったのに内定が白紙になるのは、大体が派遣先の会社の都合です。
よくあるケースは以下の通り。
- 会社の採用方針の転換
- 辞める予定の社員が辞めなくなった
- 社内の採用に関する稟議が上層部に止められた
- 他の部署から社員が異動してくることになった
派遣先企業は直接内定を出して採用する訳ではないですから、自社の都合が悪くなった途端、手のひらを返して、「ごめん!やっぱあの話はなしで!」と勝手なことを言ってきます。
筆者も派遣会社で営業をやっていた時には、このように泥水を飲まされた経験があります。その度に、仕事が決まった派遣スタッフさんにジャンピング土下座で頭を下げていました。
口約束では「雇用契約」は成立しない
結論ですが、契約書を取り交わしていない段階での、口頭だけのやりとりで決まった事については、残念ながら効力を持ちません。
口頭だけのやりとりなら、言った言わないなど、後からなんとでも言えます。
採用について、労使間の合意があったとする証拠がないと、内定通知を受けたと主張しても、労基署からは、「この段階では労働契約は成立していない」と判断される可能性が高いです。
内定取り消しにあった時に確認すること
それでは、もし仮に派遣の仕事の「内定取り消し」にあった時に確認したいことを解説します。まず以下のことを確認しましょう。
- 雇用契約書は受け取っているか
- 派遣会社に「休業手当」について問い合わせる
- 派遣会社に他の仕事を紹介するよう求める
- ②と③の対応が出来ない場合は第三者期間にも相談してみる
一つずつ解説していきますね。
①雇用契約書は受け取っているか
まず仕事が決まった段階で契約書を受け取っているか確認しましょう。
ちゃんと契約書を受け取っていれば、それが採用された証拠にもなるので、「雇用契約は成立していた」と証明される可能性は高くなります。(注:契約書があっても必ず雇用契約が成立していたと証明されるとは限りません。)
②派遣会社に「休業手当」について問い合わせる
派遣会社の専門窓口(営業担当者ではなく、本社の総務・法務部門が望ましい)「内定取り消し」にあったことを伝えて、「休業手当」の対象になるかどうかを問い合わせてみましょう。
派遣会社によっては、揉め事を大きくしたくないという心理も働くので、この段階で「休業手当」に対して、検討してくれる可能性もあります。
③派遣会社に他の仕事を紹介するよう求める
こういったトラブルが起きた時には、派遣会社は代わりになる仕事を紹介する責任があります。
こちらから求めなくても紹介してくれるはずですが、もしアクションがないようであれば、仕事を紹介するように求めていきましょう。
無くなった仕事の代わりとなる「仕事紹介」は派遣会社がすべき最低限の対応です。
仕事紹介を誠実に対応しない場合は、その事実を記録しておくといいでしょう。後に労基署に相談する時に有利になる可能性があります。
派遣会社が、他の代わりとなる仕事を紹介してくれて、次の派遣先が決まったら、真摯に対応してくれた派遣会社に感謝しつつ、新しい派遣先で貢献できるようにがんばりましょう。
働いてはいけない人材派遣会社の特徴は以下の記事から参考にしてくださいね。
④ ②と③の対応が出来ない場合は第三者期間にも相談してみる
もし、「休業手当の対応ができない」、そして「仕事の紹介もなかった」という事であれば、担当区域の労働基準監督署に相談しましょう。
労基署が動いてくれれば、派遣会社の責任者は呼び出しを受けて、労基署で事情聴取されます。僕は派遣会社の責任者として、何度か労基署から呼び出しを受けた経験があります。
最終的な判断は労基署で行われますが、労基署の担当官から直接話をしてもらうことで、派遣会社側が支払う姿勢に切り替わることもあります。
労基署はあくまで中立的な存在なので、当時の記録などをしっかりとまとめてから相談するようにしましょう。
派遣会社と揉めても心身が消耗するだけ
ここまで、内定取り消しにあった時に、やっておきたいことを解説してきました。
内定取り消しにあった時に「納得がいかない!」と言う気持ちはとてもよく分かるのですが、揉め事を大きくすることだけはおすすめしません。
争い事や、揉め事というのは、長くなればなるほどに、心身共に疲労して消耗していくだけです。
たとえ、納得の行かない結果であったとしても、どこかで一線を引いて割り切ることも大切だと思います。
長期的に会社側と争うよりも、いち早く、新しい職場を探して働いた方が、自分の人生にとっては間違いなくプラスです。
起きてしまったことは、さっさと水に流して、前に進んでいきましょう!
派遣会社を選ぶときに注意したいことをまとめているので、以下の記事で自分にあった派遣会社を見つけましょう!
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